Le Journal de NICHE

ヨガと表情筋トレーニングインストラクターのブログです。

アーユルヴェーダ入門! その2

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  「アーユルヴェーダ」と聞けばオイルトリートメントを思い出す方も多いかと思いますが、そもそもアーユルヴェーダとは「アーユス=生命・寿命」と「ヴェーダ=知識・智慧・科学」の合成語で、いわば「生命の科学」の意味。

 

 アーユルヴェーダの目的は、

 ・正しいことをする 

 ・富を持つ(正しいことをして得た正当な富を持つ) 

 ・こうありたいという願望を持つ(欲望というよりも希望や願いのようなもので、他人に迷惑をかけたり、傷つけたりしないもの) 

 ・悟りに至る

こととされています。

 

 現代風の言葉でいえば、QOL(Quality Of Life=生活の質)を向上させようというのが目的です。なので病気になってからというよりは、普段の過ごし方に注意して病気にならないようにしましょう、ということです。そして、質の高い生活、人生を送るためには「質の高い1日」の送り方が重要です。オイルトリートメントは病気にならないための1つの提案なのです。

 

 ということで、前回は1日の始まりである朝の過ごし方を紹介しましたが、今回はその後の過ごし方、昼の過ごし方です。 

 

 お勧めの昼の過ごし方は、

  ① 12時~14時にしっかりとした昼食をとる

   (1日のうちで一番充実した食事を昼食でとるということ)

  ② 昼食後は15分程度休憩する

   (胃に十分な血液を送り、消化を促すため)

  ③ 午後の活動に入る(勉強、仕事、家事など)

  ④ 日没前、夕食前に瞑想する

 

 ④はできれば行った方が良いもの。それ以外は必ず行うもの。

 

 ディナーはお昼に食べましょう!

 10時から14時の間は、1日の内で最も消化力が大きくなる時間帯。

 逆に14時以降はだんだんと消化力が下がっていきますので、夜の食事は量・質ともに質素な食事にしないと消化が追いついていかない、というのが基本の考え方です。

 

 お昼休みが1時間しかないし、その前後は仕事が立て込んでいるし…という方も多いかと思います。どうしても落ち着いて食べられる仕事の後=夜にメインの食事をする、という皆さんが。

 

 「人は食べたものでできている」と言われますが、病気も食べたものから生じるケースが多々あります。その時々の自分自身の消化力を無視して食べても、きちんと消化・吸収・排泄ができません。消化しきれなかった食べ物は、吸収されるべき所に吸収されず、あるいは排泄もされずに身体の中に溜まっていきます。その結果、老廃物(毒素)となり、過剰な糖やコレステロール、尿酸などとなってしまう訳です。

 老廃物を溜めないための重要な方法が、まず消化力を正常に保つことです。

 そのためには、本来の消化力が上がるタイミング、下がるタイミングに合わせて食事をとるということも1つの方法です。

 健康な毎日のためには、できることから少しずつライフスタイルを考え直す、ということも必要ではないでしょうか。

 

niche.hatenadiary.com

 

  

 

 

アーユルヴェーダ入門! 

 

 

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 近頃少しずつメディアなどでも取り上げられるようになってきたインドの伝承医学「アーユルヴェーダ」。WHOも効果があると認めているちゃんとした医学です。

 

 日本では見かけることは少ないですが、インドでは国家資格を持った医師が常駐する病院があり、多くの人々が利用しています。

 

 何か身体に不調があると病院に行って薬を飲んで治す、というのが日本では一般的ですが、病気になってからというより、健康な時に病気にならないようにするにはどうしたら良いかを聞きに行くのがインド流。つまりアーユルヴェーダ予防医学ということです。

 

 病気にならないための一日の過ごし方、一週間の過ごし方、季節ごとの過ごし方、年齢ごとの過ごし方が提唱されています。

 アーユルヴェーダの1日とは日の出から日の入りまで。季節によって時刻が異なるため、季節ごとに過ごし方が変わるのです。

 

 

 例えば朝の過ごし方は、

① 日の出前に起きる

  (ちなみに7/5の東京の日の出は4:31 、大阪4:50、北海道4:01、沖縄5:42)

② トイレに行く

③ 歯を磨き、舌苔をとる

④ 白湯を飲む

⑤ 入浴またはシャワー、オイルマッサージ(白ゴマ油)、ヨガ、瞑想をする

⑥ おなかが空いていれば食事をする

⑦ 身支度を整える

⑧ 仕事、家事などを始める

 

⑤はできれば行った方が良いもの。それ以外は必ず行うもの。

 

 

 日の出前に起きるのがポイント!とはいえ、北海道に住んでいれば午前4時前に起きなくてはいけない…かなり大変なので、遅くとも6時までには起きるのがポイントだそうです。

 

 そして、寝ている間に身体にたまった毒素や老廃物が体外へ出ようとして、外界への出口となる部分の付近に集まってくると言います。耳の穴や鼻の穴、肛門や口などです。中でも最大の出口は口。そのため、起きたらすぐ歯を磨きます。口内細菌の面からも最初の食事の前に歯を磨くと良いと考えられていますが、アーユルヴェーダでも然り。間違っても起きてすぐ水などを飲んではいけないようです。

 

 またアーユルヴェーダでは、消化力を正常に保つことが健康維持にはとても大切だと説かれています。病気のリスクも消化力によって変わってくるとも。

 

 消化力を守るためには、

●お腹が空いてから食べる

(1日に3回の食事は必須ではなく、消化力が弱っている時に3回必ず食べなければいけない、ということはないということ)

●適度な運動をする

●食間に白湯を飲む

●季節や年齢に応じた生活習慣を維持する

 

 白湯であればお金もそれほどかからないし、身近にあるものなので非常に手軽に試すことができますよね。 量や温度にはそれほどこだわらなくても良いそうですが、目安は大体1日に700ml~800mlくらいで、温度は40℃以上のものだそうです。身体が冷えていると感じる時や冷房のきいた部屋に長時間いる時には70℃くらいの白湯が良いそうです。またお茶代わりにすすりながらの食事も良いようです。

 

 アーユルヴェーダはインド3000年の経験が生んだ智慧です。現代人のライフスタイルとは少し違っていますが、簡単で手軽にできることもたくさんありますので是非試してみたいですね。

  

 

 

蜂の羽音が共鳴する呼吸法 ブラーマリ・プラーナーヤーマ

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 ヨーガの伝統的呼吸法4回目は「ブラーマリ」。

 

 「ブラーマリ」とはマルハナバチのこと。ミツバチよりも少し大きくて黒っぽいハチです。

 

 

 この呼吸法は、そのマルハナバチの羽音のような音をたてて息を吐きます。

 

 やり方は、

 

① 鼻から息を吸う。

② 鼻から息を吐くときに、ハミングのように「ンー」という音を出しながら

  吐く。身体の内側に音が響くのを味わう。

 

 鼻から吸って鼻から吐きます。口は閉じたままです。

 

 この呼吸法は、自分の声を身体の隅々まで響き渡らせ共鳴現象を作り上げることがポイントです。一番心地よく響き渡っていると感じる音程を探して、その音を出すことです。

 ちょうどヴァイオリンなどの弦楽器の内部で、最後に鳴った音が楽器のすべての部分と共鳴振動をしているのと同じことです。

 

 

 そしてこの呼吸法の効果は、

 

・ストレスを和らげる

喉頭炎や扁桃腺炎など喉の不調を緩和する

・精神を安定させる

不眠症を改善する

・(瞑想前に行うと)瞑想を深める

 

と言われています。

 

 瞑想と呼吸法の間のような呼吸法です。

 

 忙しい毎日の中で少しでも呼吸法に取り組む時間、「呼吸を意識する」時間を持つことがストレス解消やリラックスの第一歩ですね。

 

 

 

 

 

 

冷却呼吸法その3 サダンタ・プラーナーヤーマ

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ヨーガの伝統的呼吸法4回目は「サダンタ」。

 

この呼吸法も前回の「シータリー」「シートカーリー」同様、冷却呼吸法です。

 

やり方は、

 

① 息を吐ききってから口をやや横広に開け、上下の歯を軽く噛み合わせる

  (舌先は上あご、上の歯の付け根あたりにつける)

② 隙間から息を吸う(口から息を吸う)

③ 吸いきったら口閉じる。

④ 鼻から息を吐き出す。

 

 

この呼吸法の効果は、

 

・身体を冷やす

・歯の知覚過敏の緩和

・歯と歯茎を健康に保つ

 

と言われています。

 

身体を冷やす呼吸法3つの中でも最もやりやすい呼吸法でしょう。

その気になれば、人いきれの中や蒸し暑い満員電車の中でもできます(*^_^*)

是非お試しを!

 

 

 

冷却呼吸法その2 シートカーリー・プラーナーヤーマ

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ヨーガの伝統的呼吸法3回目は「シートカーリー」。

 

「シートカーリー」とは「シー」という音を出すという意味。

 

この呼吸法も前回の「シータリー」同様、暑さを和らげてくれるありがたい呼吸法です。

 

やり方は、

 

① 息を吐ききってから口を横広に開け、舌先を上あごに向けて巻き上げる。

  (舌先の裏側が上あごにつくようにする)

② 前歯同士を閉じ(奥歯でかみ合わせるのではなく、上下の前歯同士を

  くっつける感じで)、隙間から息を吸う(歯と歯の隙間から「シュー」

  という音をたてながら口から息を吸う)

③ 吸いきったら舌を元に戻し口を閉じる。

④ 鼻から息を吐き出す。

 

 

この呼吸法の効果も「シータリー」同様、

 

・身体を冷やす

・血液を浄化する

・喉の渇きを抑える

・食欲を促進させる
・慢性消化不良を改善

脾臓の炎症や慢性皮膚疾患を改善

・熱を下げる

・胆汁分泌過多を治し、痰などの粘膜性失調を癒し治療する

 

と言われています。

 

暑さが苦手な方々も、呼吸で少し涼しく感じられれば良いですね。

 

 

 

 

 

冷却呼吸法 シータリー・プラーナーヤーマ

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ヨーガの伝統的呼吸法2回目は「シータリー」。

 

「シータリー」とは、「熱を冷ます」とか「冷却」という意味です。

 

これからのシーズンにはありがたい呼吸法。熱帯性気候の地域も多いインドならではの呼吸法といえます。

 

やり方は、

 

① 息を吐ききってから口を開けて、舌の両サイドを巻き上げてU字型にする。

  舌の先を少し口から出す。(唇はすぼめる)

② U字型の間から息を吸う。(口から息を吸う)

③ 吸いきったら舌を口の中に引き入れて口を閉じる。

④ 鼻から息を吐き出す。

 

※舌の両サイドが巻き上げられない方は、口をすぼめて、口笛を吹くような形にするだけでOK。

 

 

この呼吸法の効果は、

 

・身体を冷やす

・血液を浄化する

・喉の渇きを抑える

・食欲を促進させる
・慢性消化不良を改善

脾臓の炎症や慢性皮膚疾患を改善

・熱を下げる

・胆汁分泌過多を治し、痰などの粘膜性失調を癒す

 

と言われています。

 

身体の中にこもった熱を下げ、元気に夏を乗り切りたいものですね。

 

 

 

 

勝利の呼吸!? ウジャーイ・プラーナーヤーマ

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今回からはヨーガの伝統的な呼吸法を紹介していきます。

 

1回目の今回は、「ウジャーイ」。

 

別名「勝利の呼吸」と呼ばれるこの呼吸法は、胸式呼吸です。

 

 

おなかをへこませた状態で胸骨を上げ、肋骨を広げて息を吸い、吐くときには胸骨を下げ肋骨を閉めます。鼻から吸って鼻から吐きます。

 

そして、呼吸をするときに、少し喉を絞めて喉の奥から音を出します。

「スースー」というような音、ごく弱い「いびき」のような音です。

 

息を吸う時に上あごや喉に空気が入ってくるのを意識します。

 

  

 少し慣れてきたら、右手人差し指と中指を折り、親指、薬指、小指は伸ばして

(ナーシカムドラー)、

右手の親指で右鼻をふさぎ、左鼻だけで呼吸したり、

また右手の薬指で左鼻をふさぎ、右鼻だけで呼吸したり、

とバリエーションを増やしていきます。

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 (写真:「HATHA YOGA Illustrated」より)

 

 

 この呼吸法は、肺の酸素摂取量を高め、神経をリラックスさせ、脳を活性化し、身体全体のバランスを調整します。血圧を上げる効果があるため、低血圧の人には有効です。

 

高血圧の人冠状動脈の疾患のある人は、無理をせず仰向けの状態でされるのがよいでしょう。

 

ヨーガの教則本には、早朝4時から4時半ごろに起きて、トイレ、洗面、ぬるま湯のシャワーなどで身体を清潔にしてから、アーサナ、プラーナーヤーマ、メディテーションを行います、必ず空腹時に行います、と記載されているものをよく目にします。

 

早朝のアーサナやプラーナーヤーマは確かに心身共にすっきりします。1日の仕事や家事の前に行うと、新鮮な気持ちで何事にも取り組めるようで意欲も湧いてきます。

 

少しずつでも日常にとり入れていきたいものです。