朝早く起きるということは ~ヨーガに見る朝型のメリット~
近年、朝型は「健康に良い」「時間が有効に使える」などと言われ、「朝活」と言われる活動も流行っているようですね。
朝型・夜型の問題は「集中力」にあるように思います。朝型を推奨する方は朝の方が集中力が上がると言い、夜型の方はいやいや集中力の上がる時間帯は人によって違うから朝が良いとは限らない…と言います。
ヨーガの世界では、朝という時間、とくに早朝という時間帯は、眠りから覚めた後で俗世にまみれる前の時間帯ということで、高尚な次元からの情報につながりやすい静かな意識状態にある、とされています。
もともとヨーガとは、サンスクリット語の「yuj(つなぐ)」が語源で、誰の中にもある「神性」と自分自身とを常につないでおくための効率の良い方法なのです。
その誰しも心の奥底に持っている「神性」を最も見つけやすいのが、眠っている時でもない、日常のさまざまな外からの情報に左右されている時でもない、その間の時間帯である早朝だということです。
下記の詩は、ヨーガやヴェーダ聖典についてのスワミ・チダナンダ大師の講話集「真理への解放」の中で、正しい一日の始め方が美しく表現されていると紹介されているものです。
朝という時の中で私は 神様と出会った
その日一日の 最高の時の中で
そして神様は 日の出のように
私の胸の内なる栄光の如くに そこに顕れた
一日中神様は そこにましまし
一日中 私と共にあられた
そして私達は 完全なる静寂の中で
逆巻く海を 航海した
それゆえ私は その秘密を知っている
多くの苦難の道から 私は学び知った
あなたも早朝にあって 神様を探しなさい
もしもあなたが その日一日を
神様と共に ありたいならば
ラルフ・クシュマン
ただただ朝早く起きるよりも、瞑想などをして自分の内側に意識を向ければ、内なる神性とつながりやすく、その後何が起こっても動揺することなくその日一日ずっとつながっていられる、というものです。
夜型の人には、朝早く起きて瞑想などとんでもない!という方もいらっしゃると思いますが、朝にせよ夜にせよ自分の「内なる静けさを探す」ことは誰にとっても大事なことなのではないでしょうか。
「インドの英知・ヨーガが導く 真理への解放」