セクショナル・ブリージングvol.1 腹式呼吸
今回から3回にわたってセクショナル・ブリージング(sectional breathing)についてお話したいと思います。
直訳すると「部分的な呼吸」となりますが、通常、人は精一杯呼吸をしているつもりでも、実は肺のごく一部しか活用できていないのが現状です。
まだまだ肺には普段使われていないセクションというのが存在します。
このセクショナル・ブリージングでは、肺を下部、中部、上部に分けて丁寧に呼吸することにより、肺全体を使った深い呼吸を目指します。
息を吸う時におなかを膨らませ、吐くときにおなかをしぼませる呼吸法です。
【腹式呼吸】
① 目を閉じて正座かあぐらで座る
② しばらく自然呼吸をする(10カウントほど)
③ 左手のひらでおなかに軽く触れた状態で、両鼻からゆっくりと息を吸いこみなが
ら、おなかを膨らませる
④ 息を吸いきったら1、2秒息を止める
⑤ ゆっくりと息を吐きながらおなかをへこませる
⑥ 息を吐ききったら1,2秒息を止める
①~⑥を10回繰り返す
10回目に息を吐き出す時に「アー」と言いながら、肺の下部にたまった空気を全て吐ききります。
「アー」の音の余韻、身体の内部に響く感じを感じ取ってください。
手のひらでおなかに触れるのは、おなかの動きを意識するため。
慣れてきたら触れなくてもOK。
この呼吸法は、おなかが膨らんだりへこんだりする動きをしっかりと意識しながら行うことが重要です。
鼻から入ってきた空気が肺の下部にたまり、横隔膜を押し下げ、息が出ていくときに横隔膜がせり上がり、中の空気を絞り出します。
普段あまり使われていない肺の最下部まで新鮮な空気を送り込むことができます。